灯明(とうみょう)
灯明(とうみょう)は、仏教や神道において供養や祈りの象徴として灯される灯火で、特に仏前や神前にお供えするものです。灯明は、仏の智慧や慈悲の光を表し、暗闇にいる者たちの迷いや苦しみを照らして救いへ導く存在として重要視されています。古くから燈明は信仰の象徴として、心を清め、故人や神々に対する敬意と感謝を表す手段とされてきました。
仏教における灯明の役割は、仏前での供養や法要の際に灯を捧げることにより、心の浄化や悟りを願うと同時に、故人が迷わず成仏できるよう祈る意味が込められています。仏壇やお墓に灯明を灯すことで、仏や祖先の霊がその光に導かれ、迷いを離れて安らかに眠れるようにという願いが表現されています。特に、法事や法要の場面では灯明を灯し、故人の冥福と安寧を祈ることが習慣となっています。
神道においても、神前に灯明を供えることは神への敬意と感謝の表れとされ、神々の加護と導きを祈るものです。灯明の光は、神と人との繋がりを象徴し、清らかな祈りを届けるとされています。
現代では、電灯の普及により蝋燭や油灯の使用は減っていますが、灯明の精神性は変わりません。仏壇に電気灯明を置いたり、法要や祈祷の際に電気灯明を灯すなどして、信仰の象徴として灯明を守り続ける風習は現在も残っています。