霊璽(れいじ)
霊璽(れいじ)とは、亡くなった人の霊を祀るために使用される神具や仏具で、主に仏教や神道の儀式で使用されます。霊璽は、亡くなった人の霊を神聖な場所に迎え入れ、供養を行うために重要な役割を果たします。特に、仏教の葬儀や法事、また神道の祭祀において、その霊を敬い、安らかに送り出すために使われるものです。
霊璽は、亡くなった人の霊を宿すための「依代(よりしろ)」としての役割を担っています。霊璽には、故人の名前や戒名、またはその霊的な特徴が記されることが多く、故人を敬う気持ちを表す大切な象徴となります。仏教においては、霊璽は亡くなった人の「霊位」を表し、家族や親族が供養を行う際に、この霊璽を前にしてお祈りやお供えを行います。
霊璽は、一般的に小さな木箱や札、または石製の板に霊名や戒名が書かれ、家庭の仏壇や祭壇に祀られます。仏壇に祀られる霊璽は、亡くなった人がその霊的な存在を感じられる場所としての役割を果たし、日々の供養が行われる際に重要な存在となります。
また、霊璽は、供養の際に家族や親族が集まり、故人を偲ぶための場所となります。霊璽を通じて、故人とのつながりを感じ、心を込めて祈りを捧げることができます。これにより、故人の霊が安らかに過ごせるように、また生前の功績や思い出を尊重する意味を込めて、霊璽が重要な役割を果たすのです。
現代でも、霊璽は多くの家庭で使用されており、法事や命日などの際には欠かせない仏具の一部となっています。その存在は、故人を敬う心を育むものとして、今なお尊重され続けています。