木魚(もくぎょ)
木魚(もくぎょ)は、仏教の法要や儀式で使用される楽器の一つで、主に仏教寺院で読経の際に使用されます。木製の魚の形をした楽器で、その名前の通り、魚の形を模して作られています。木魚は、仏教の儀式において、僧侶が経を唱える際にリズムを取るために用いられることが一般的で、また、仏教徒が心を落ち着け、集中するための役割を果たします。
木魚の形状は、通常、魚の体の部分にあたる部分がくぼんでおり、そのくぼみ部分を木槌(もくすい)で打つことによって音を出します。音色は、木魚の材質や大きさによって異なりますが、通常は澄んだ音を発し、その音色が静かで深い精神的な空間を作り出すと言われています。木魚の音は、仏教における「無常」を表現するとも言われ、すべてのものは変化し、無常であるという仏教の教えを思い起こさせます。
また、木魚はリズムを刻む役割もあり、法要やお経の読経を助ける重要な役割を果たします。僧侶が読経の際に木槌で木魚を打つことで、経のリズムが整い、参加者が集中しやすくなる効果があります。読経の途中で木魚の音を聞くことで、心が静まり、より深く祈りを捧げることができるとされています。
木魚は、仏教の儀式において精神的な意味合いも強く、ただの楽器としての役割にとどまらず、修行や祈りの過程で重要な役割を果たしています。また、現代では家庭の仏壇においても木魚を使って読経することがあり、仏教徒が心を込めて供養を行うために使われ続けています。