忌中札(きちゅうふだ)
忌中札(きちゅうさつ)とは、故人が亡くなり、家族が喪に服している期間中に、家の入口などに掲示される札のことを指します。この札は、故人が亡くなったことを知らせるとともに、外部からの訪問者に対して、家族が現在喪中であることを示す重要な役割を持っています。忌中札を掲示することによって、近隣の人々や訪問者に対して配慮を促し、無駄な訪問を避けてもらうために使われます。
忌中札は、故人の死後一定期間、家族が「忌」や「喪」の状態にあることを示すために掲げられます。この期間は、一般的に四十九日までを指し、その間は特に外出を控えたり、祝い事を避けるなどの習慣があります。忌中札を掲げることで、外部にその情報を伝え、無用なトラブルや不必要な訪問を避けることができます。
忌中札は通常、黒い布や紙で作られ、中央に「忌中」「喪中」などの文字が書かれています。文字の内容は地域や宗派によって異なることもありますが、一般的には「忌中」と記載されることが多いです。場所としては、家の門や玄関、外壁などの目立つところに掲げられます。
また、忌中札は、家族の喪中期間を明示するものですが、同時に周囲の人々に対しても慎んで接するよう促す意味も込められています。葬儀の際に参列することができなかった人々に対して、後日感謝の気持ちを表すために「会葬御礼品」を送ることが一般的です。
忌中札の掲示は、忌明けを迎えるまでの期間、家族が喪に服し、故人を追悼するという日本の伝統的な慣習に基づいて行われます。忌中札を掲げることにより、遺族が心静かに故人を悼み、周囲の人々もその尊厳を守ることができるのです。